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ペーパンでこんなことをやっています
旭山動物園の奥にある細長い谷に、豊田、米原、瑞穂というお米にちなんだ名前の集落が続いています。もちろんお米づくりが盛んです。昔は、「上ペーパン、下ペーパン」と呼んでいたそうです。ペーパン、というのは、アイヌ語で「甘い水」のことです。ペーパンを流れるペーパン川の水を飲んで、有名なシェフが「この水でつくった米はうまいだろう」と言ったそうですが、そのとおりで、おいしいお米がとれます。
もりねっと・ペーパン事務所
聞きとり調査
ペーパンのみどころ
Mさんの山の間伐
   
 
 もりねっと・ペーパン事務所
旧旭川第一中学校の校舎に、2011年5月から間借りして事務作業をしています。地元の人とのつながりがもっとできるようにと考えています。

ペーパンとの出会いは2008年でした。もりねっとはまだ活動フィールドがあまりありませんでした。地元の人たちの思いを聞きながらみんなに喜ばれる森づくりをしたかったのですが、そのきっかけがありませんでした。

北海道教育大学の岩見沢校に、アウトドアライフ専攻科というのができたばかりで、その科の先生が「地元学」というのがあるよ、と教えてくれました。そこに住んでいる人たちが、土地のことを自分たちで調べ、地元の宝を再発見してそれを育てていく、という地域づくりのやり方です。ただ、地元の人には「あたりまえ」のことが多いので、学生の出番というわけです。


 聞きとり調査
2008年秋から、ペーパンと東鷹栖の2地区で聞きとり調査を広げていきました。実は、これをはじめるにあたって、旭川市森林組合にプロジェクトの説明に行き、「森づくり重点地域はどこでしょうか?」と聞きました。そして、昔の山の話が聞ける人、林業に熱心な人などを紹介してもらいました。そして、その中で山に近い集落を選んで、全戸の聞きとりもやりました。
突然家や田んぼで作業しているところへ行って突然「話を聞かせて下さい」と言っても、「な〜んも、話すことなんかないぞ」と言われるのですが、話を聞き出すと1時間、2時間、3時間ということもありました。考えてみると、自分の半生をまとめて誰かに語ることはあまりないですよね。それを2〜3人で聞きとりして、絵や写真入りの手書きの報告書にまとめて、全戸に配りました。
聞きとりの様子 上南部農事組合
上南部という集落では全戸の聞きとりをしたご縁で、農事組合の集まりに呼んでもらったり、草刈り後の一杯飲みに呼ばれたりして、その後、Mさんの山の間伐をすることにつながりました。農事組合のリーダーOさんや、米原瑞穂のリーダー的なKさんなど、こちらがいろんなお願いをしても「いいよ、やってみな」と言ってくれる方たちでした。

 ペーパンのみどころ
   
  ★21世紀の森
 
ペーパンの集落の一番奥の商店の十字路からまっすぐ行けば旭川21世紀の森、左に行けば道立21世紀の森があります。旭川市21世紀の森は、キャンプ場、パークゴルフ場、バンガロー、温泉などなど、深い森の中に明るい芝生が広がっています。道立21世紀の森には、いろんな樹種の大木が見られる散策コースがあり、「将来こんな森を目指したいなあ・・」とイメージをふくらませるのにいいコースです。
  ★水神宮
 
21世紀の森に向かって走っていくと、右側に「水神宮」の看板が出ています。「一生くさらない」(?)という人がいるほど、きれいな湧水が、こんこんと山から流れ出しています。地元のおばあちゃんが、いつもそうじをしています。小さな祠もあります。旭川市内からもたくさん水を汲みにくる人がいます。もりねっと事務所で入れるコーヒーはここの水です。ほんとにおいしいですよ〜
  ★養蚕民家
 
ペーパンには、開拓に入ったとき桑の木がたくさん生えていたそうで、蚕を飼って絹糸をつくって現金収入にしていました。今でも山には桑の木が多いです。開拓に入って3年目になって、大雪山が見えることがわかったそうです。それほど木がうっそうと繁り暗かったそうです。
明治42年に建てられた、本格的な伝統工法の建物を、今は市が保存・公開しています。屋根裏は蚕部屋になっています。子どもの頃ここに住んでいたMさんは、夜は蚕が葉をたべる音が気になってなかなか眠れなかったそうです。
旭山動物園からは10数キロ。道道の左手に「養蚕民家」の看板があり、無料で中を見ることができます。いろりがあるのですが、火を焚くことはできません。残念。
北海道の開拓時代の建物は、木目のつまった天然林の広葉樹を惜しげもなく(周りにそれしかなかったから)使っていて、木の好きな人には目の保養になります。
時間があったら、中でお弁当でも広げてゆっくりすると、当時の時間が流れていくようなゆったりした気持ちになります。修学旅行や観光で泊まってもらったり囲炉裏で料理できたらいいのに・・
  ★福島盆踊り
 
ペーパンの開拓に最初に入ったのは、福島県からの団体でした。そのころから伝えてきたのが福島盆踊り。ペーパンの人たちの、太鼓や笛でうねるような力強いリズムに、味わいのある踊り。僕はぞっこんです。是非一度、見てみてください!
開拓100周年を期に、お里の福島県に行って交流をはじめたら、福島には元々の踊りがなくなっていたので、ペーパンの人たちが福島の人たちに教えたそうです。盆踊りの里帰りですね。

 Mさんの山の間伐
聞きとりをして、地元のようすがある程度わかってきました。次は森の提案です。15haの田んぼをつくっているMさん。聞きとり調査でも山があることを話してくれていたので、2009年冬に、顔を出してみました。
「ども、こんちわ〜」「お〜、入れや。ん?知らん顔だなあ」これは冗談。
「Mさんの山、手入れしませんか?」すると、「ちょうど今間伐してるとこなんだわ、見てみるかい?」なんといいタイミング。
山はカラマツの40年生、Mさんが自分で植えて、間伐は田んぼ仕事のない冬、毎年ちょっとずつやってきた。「でもね、オレ寒がりだからさ、雪降ったら休み、風吹いたら休みで、またすぐ春になってしまうんだわ」「お父さん、パチンコ好きだからね」
そういうことか。「僕たちにやらせてください、お金はかかりませんから。間伐の補助金も森林組合からもらえるし」「ほんとかい。でもケガするんでないよ」
そんな感じで、年の暮れ、森づくりセンター(北海道の普及課)と、森林組合の人が来てくれて、Mさんに補助金の説明。2月末から、森林組合の下請けという形で作業をスタートしました。
Mさんの林は約2ヘクタール(100m×200m)、細いカラマツがびっしり。しかもその中に、細いミズナラが2倍くらいびっしり。なんとかミズナラを活かして、太いカラマツ・元気なミズナラの混じった美しい森にしたい。ちょうど助成金で、木を運び出す小さな機械(林内作業車)が買えることになりました。そして、「森の道」を見よう見まねでつけました。

小さな機械で作業の効率が悪いので、作業はゆっくり。夏は丸太に虫が入るので休み、10月にようやく終了しました。この間伐のコンセプトは、「農家の人が自分でやったらどのくらいの収支になるのか」です。木材代で道代を払い、少しだけプラスが出ました。ただ、父ちゃん、母ちゃん2人で2ヶ月かかる計算です。なかなか大変ですね。
ほとんど手入れしていなかったひょろひょろカラマツの更に細いものを中心に伐ったので、手間がかかり、今回は収益があまり出ませんが、10年、20年後の間伐ではだんだん収益が出るようになっていきます。今回残したミズナラを少しずつ間伐して、ほだ木に販売すれば、同じ量のカラマツより収益があります。
そして、残した森は、どんどん豊かな美しい森になっていきます。Mさんの森のプランでは、カラマツを100年生まで育てるプランも入れました。もし全部伐って植えるとどうなるかも提案しました。きっと手入れを継続してくれると思っています・・・

今後も、ていねいな森づくりを提案しながら、山主さんが気軽に森に入れるようにしていきたいと考えています。

 
 
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